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■聴診器の歴史

聴診器は1816年にフランスの医師、ルネ・ラエンネックによって考案されました。
当時は古代ギリシャ時代からの直接聴診法(患者の胸に直接耳を当てて心音を聞く)で心音や呼吸音を聴取しておりましたので、非常に画期的なアイデアといえます。
彼は往診の途中、子供達が木材信号(長い棒の両端に立ち、片方が棒を引っかいた音をもう片方が棒に耳をつけて聞く遊び)で遊んでいるのを見て聴診器の原型を考案したと言われます。
ラエンネックは早速ノートを丸めて患者の胸に当てたところ、心音がはっきり聞こえた為、材料を吟味して木製の円筒形聴診器を作り出しました。
又、心臓病の婦人を診察する際、直接聴診法を使用するのを躊躇ったことから考案したと言う説もあります。
ラエンネックはこの聴診器具を『Stethoscope』と命名し、この器具を使用した聴診法を従来の直接聴診法に対して『間接聴診法』と名付けました。(Stethoはギリシャ語で”胸” Scopeは”視る”を意味します。)
ラエンネックは著書”間接聴診法、すなわちこの新しい探求法に主として基づいた肺と心臓の疾患の診断に関する研究”と共にStethocopeを発表し、大きな反響を呼びました。聴診器によって、従来の直接聴診法と打診法より遙かに確実な聴診が可能となったのです。
ラエンネックの聴診器は単耳型でしたが、これを双耳型(両耳型)にしたのは1855年アメリカの医師であるカーニマンでした。カーニマンは黒檀製のチェストピースと象牙製のイヤーピース、ビノーラルはゴムを絹布で包んだ聴診器を作成しました。
カーニマンの双耳型聴診器は性能的にも単耳型よりすぐれており、瞬く間に全世界に普及して医師のシンボルマークとして使用されるまでになったのです。

現在の聴診器は出来るだけ雑音を減らし、集音部と導管の構造に改良を重ね、音が減衰しない要に配慮されています。


■聴診器の構造

聴診器は胸壁から、聴診者の耳へと音を運ぶ器具で、肺あるいは胸膜、心臓、心膜におこる異常を認知し、発生部位を知るものです。基本的にはチェストピース(本体)とビノーラル(耳管)、それをつなぐチューブから成っています。
シングルタイプ聴診器  ダブルタイプ聴診器     
      シングルタイプ聴診器               ダブルタイプ聴診器



■シングル聴診器とダブル聴診器

チェストピース(聴診器本体)の聴診面には、ダイアフラム型(膜型)とベル型の二種類があります。
通常、シングルタイプと呼ばれる聴診器は、片面でダイアフラム型聴診面のみを有しております。一方、ダブルタイプと呼ばれる物は、両面で、ベル型とダイアフラム型の両方を有し、ております。又、ダブルタイプの中には聴診面の交換が可能な物もあります。


■ダイアフラムとベル
ダイアフラム型は表面の薄い膜(ダイアフラム)が低音をカットするフィルターとして作用し低音が減衰するため、高音がよりきこえやすくなります。
ダイアフラム型を使用するときは、ダイアフラム面と皮膚が一体となるよう、ある程度強く押さえる必要があります。ダイアフラム面全体が皮膚に接触するのが望ましいのですが、多少離れている部分があっても、音をとらえる事ができます。

ベル型は全ての周波数の音をとらえる事が可能です。しかし、一般的には上記のダイアフラム型に対して、低音部分の音を聞くのに用いられます。ベル型では、ベル部分の全周が隙間無く皮膚に当たらないと音が逃げてしまいますが、余り強く当てすぎてもいけません。張った皮膚がダイアフラムと同じ作用をしてしまう為です。





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